今年は世界天文年

1609年イタリアのガリレオ・ガリレイ(図1)は人類で初
めて望遠鏡を宇宙に向けました。このことはたくさんの
発見をもたらしました。表面がつるんとした水晶の玉だ
と思われていた月は、クレーターなどの起伏に富んだ地
形をもっていました(図2)。川のように芒洋としてみえ
ていた「天の川」はたくさんの星の集まりでした。

ガリレオ以来、人類の宇宙に対する考え方は大きな改革
の時代へ突入しました。地球が宇宙の中心と考えていた
天動説から太陽の回りを地球を含めた惑星が回っている
という「地動説」への転換がありました。望遠鏡は発達
を続け現在では宇宙の始まりが137億年前であったことも
つきとめられました。

このような現代天文学の出発点である1609年から今年は
ちょうど四百年です。このことを記念し、また、この機
会にみんなで星空や宇宙に親しもうと国際連合やユネス
コなどの呼びかけで、今年を世界天文年を定め、いろい
ろなイベントが各地で行われようとしています。みなさ
んも今年は星空や宇宙に関するイベントに参加してみて
はどうでしょう。

そのひとつに「めざせ1000万人みんなで星を見よう」が
あります。もし、星を見たら一人でもお友達とでも、あ
るいは、グループの観望会でも以下のホームページに報
告してみましょう。
http://star2009.jp/
報告の認定書がもらえます。自分が観察したのと同じ時
刻に一緒に星を見ている全国のみなさんの記録をみると
楽しくなります。

2月14日には世界天文年公認イベントとして「ガリレ
オの見た宇宙」と題する講演会が開かれますので参加し
てみてはどうでしょう。

講師:渡部潤一(国立天文台)
日時:2009年2月14日(土)午後2時より(午後1時30分開場)
場所:山形大学小白川キャンパス
入場無料、予約不要


図1 ガリレオ・ガリレイ(1564-1642) 
(科学の歴史博物館(フィレンツエ)初期の望遠鏡カタログより)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/69-fig1.gif
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図2 ガリレオが残した月のスケッチ
(科学の歴史博物館(フィレンツエ)初期の望遠鏡カタログより)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/69-fig2.gif
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図3 やまがた天文台望遠鏡に携帯電話のカメラをおしつけて撮影
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/69-fig3.jpg
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