かに座

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冬の星座から春の星座へバトンを渡す位置にいるのがかに座です。
おうし座、ふたご座としし座に挟まれた小さな部分です。
四角形のカニの甲羅から足が伸びています(図1)。

図1を見ながら位置を確認しましょう。
Aがおおいぬ座のシリウス(とても明るい)、
Bがこいぬ座のプロキオン、
Cがふたご座のカストル(上)とポルックス(下)です。
ここまでは冬の星座。
Dがしし座のレグルス、
Eがうみへび座の頭の部分です。
これらは春の星座です。

かに座は星占いでは霊魂が天上と地上を出入りする通路とされています。
かに座の中央の四角い部分の中に「小さな雲」とも呼ばれるぼんやりしたものが見えます。
確かに霊魂を感じる妖気が漂っているようにも見えます。
この雲の正体を明らかにしたのはガリレオ・ガリレイで、
彼は望遠鏡を使ってこれは星雲ではなくたくさんの星の集まり「星団」で
あることを報告しています。
今ではプレセペ星団と呼ばれています(図2)。

面白いことにこの部分を中国では鬼宿と呼び、
霊魂の入り口として星占いと同じような意見です。
中国では、人は死んだら精神を司る魂はここを通って天国に行き、
肉体を司っていた魄(はく)は地上に残るとされていました。
魄は月の白い光の生気という意味もあるそうです。
生魄は上弦の月、死魄は下弦の月を意味します。

晴れたら天に繋がる不気味な四角い穴を覗いてみてみませんか。
双眼鏡があれば最高です。
不気味さを吹っ飛ばす美しい星団の姿が楽しめます。


図1 かに座の見つけ方(3月9日午後7時頃の南東の空:Stellariumuを用いて作成) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/711-fig1.jpg
図2 プレセペ星団(撮影:堀光幸(河北町在住))  http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/711-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/711-fig.pptx references will be note-711 2021年4月10日に撮影した「かに座」の画像から現像してみました。 まだ画像処理の勉強をしようと始めたばかりですので 黒白画像みたいで、 かつ ピントも甘いですが、雰囲気はわかると思います。 星座線のありなし、また縦横混在ですがご覧ください。 重くてすみませんm(__)m 河北町在住 堀光幸