シリウスBの謎
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夜空に輝く星々はみんな太陽と同じような高温のガスです。
しかし、この考えが通じない星もあります。
図1は冬の大三角のうちの一つ、シリウスの写真です。
よく見ると、すぐそばに別の小さい星が写っているのが見えますね。
この二つは、お互いに相手の星の周りを回っている連星をなしています。
明るい方をシリウスA、暗い方をシリウスBと呼びます。
もしかしてシリウスBはシリウスAの惑星でしょうか。
図2を見てください。
星の表面の温度は
太陽の表面温度は約6千度、シリウスAは約1万度であることを図2は示しています。
図の縦軸は星の明るさです。
重要なのは紫色の左肩上がりの直線です。
この直線は何かというと、
もし、星の表面積が太陽と同じならば、
星の明るさが温度とともにどう変わるかを理論的に計算したものです。
シリウスAは紫の線の近くにいるので、
ほぼ理論通りの明るさになっていることがわかります。
次にシリウスBですが、
スペクトル分析すると表面温度が2万6千度もあることがわかり、
それに対応する明るさは左上の黒い ● の位置です。
実際のシリウスBは写真で見るように暗く、
緑の▲ の位置にあります。
縦軸の目盛りを読み取ると、予想の10万分の1くらいの明るさしかありません。
これは何を意味しているのでしょう。
理論線はもし太陽と同じくらいの表面積であればという仮定のものに書いたものでした。
そうです、シリウスBの表面積が太陽の10万分の1しかない、
直径で言うと太陽の数百分の1くらいだと言うことです。
地球の直径は太陽の109分の1ということを聞いた事がないですか。
すると、シリウスBは地球より少し小さい星だということになります。
やっぱり、惑星でしょうか。
惑星であればシリウスAの光を反射して光るのですが、
シリウスBは表面温度が2万6千度あり自ら輝いています。
従って、惑星ではありません。
シリウスBの質量は連星運動の分析から太陽と同じくらいであることがわかっています。
すると密度は1立方センチメートルあたり1トンもあり、
ガチガチに固まった星ということになります。
シリウスAや太陽がふわふわしたガスの星であるのと対照的です。
このような変な星は「白色矮星(わいせい)」と呼ばれます。
図1 シリウスAとB (撮影:田端研二さん=沖縄県那覇市)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/713-fig1.jpg
原本
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/713-fig3.jpg
図2 星の温度と明るさの関係
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/713-fig2.jpg
本文終わり
パワポ
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/713-fig.pptx
references will be note-713