アークトゥルス

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暖かくなり外に出て星を見るのもいいなぁ、という季節になってきました。
今日は、星探しのコツを一つお伝えしたいと思います。
私たち星空案内人は、実は星座を頼りにして星探しをしているわけではありません。
もっと大きなスケールで見つけます。

その中でも0等星は重要です。
明るい星を一等星と呼ぶことはどこかで習ったかと思います。
しかし、
実際に電子的に星の明るさを測定すると、
1等星よりも一ランク明るい「0等星」があることがわかります。
たった3つしかありませんから、
きっと覚えることができるでしょう。
しかも、
この3つは、見つけられれば、
そこを出発点にしてたくさんの星座を見つけることができるので、
鬼に金棒です。

その三つとは、織姫星(こと座のベガ)、うしかい座のアークトゥルス、
ぎょしゃ座のカペラです。
しかもこの三つは北極星からの距離が近いので、
見えている時間が長い、つまり、
見つかる可能性が高いという特徴があります。

今晩、10時30分頃の北の空を図1に描きました。
三つの0等星が見えています。
周りの星よりもダントツに明るいのできっと見つかると思います。

北側に建物や山がある時は、カペラを見つけるならば、もう少し早め午後8時頃北西方向を探しましょう。
織姫星を見つけるのであれば、もっと遅い時間にするか、5月まで待ちましょう。
アークトゥルスは時刻はあまり気にしないでも見えています。
もし、午後7時くらいであれば東の地平線近くに探してください。

カタカナ名の「アークトゥルス」は覚えにくいと思いますので、
日本名の「麦星(むぎぼし)」で覚えてください。
私はビール星と覚えています。星の色がまさにビールの色と一緒だからです。
明るさと色を頼りに探しているので、
アークトゥルスかなと思ったら確認したくなります。
そこで、図1の「春の大曲線」というパターンを使って
北斗七星との位置関係を使います。
北斗七星の柄の部分の曲線の延長上にあれば間違いなくビール星です。

では、うまく見つかりますように。




図1 今晩、午後10時半頃の北の空(Stellariumを用いて作成) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/716-fig1.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/716-fig.pptx references will be note-716