パルサーキック (No. 728)
date 2022 07 06
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太陽より10倍以上ほども重い星は、
その一生の最後に大爆発を起こします(超新星爆発)。
その爆風は最初小さくて見えませんが、
徐々に大きくなり、
2千年もすると大きく膨らんで望遠鏡でも見えるようになります。
「超新星残骸」と呼ばれるそのような天体の一つの例が
図1です。
爆発の後には、ブラックホールか中性子星と呼ばれる小さい天体が残されます。
特に、中性子星の場合、高速に自転し強力な磁石になっている場合があって、
強いエネルギー放射を示します。
これが「パルサー」という天体です。
ここまでは天文学の入門書に書いてあることです。
今回私が注目したのはこの写真に写っているパルサーの姿です。
拡大図が左下にあるのですが、UFOみたいな円盤(中にパルサーが隠れている)、
そして、下向きに円盤からジェットが噴射しているかのような筋。
もう本当に宇宙人が居そうな画像に見えませんか。
そして可愛いではないですか。
これはUFOの円盤ではありませんが、
確かにパルサーが回転によってエネルギーを放出していることを確認できる素晴らしい映像です。
さらに、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのロンさんのグループは最近、
パルサーが毎秒600kmという凄まじい速度で運動していることを突き止めた。
星が爆発した場所は、図2のように、可視光線の分布、X線の分布、吹き飛んだ元素の分布を
元にそれぞれ予想されています。
パルサーの運動を遡って爆発の位置に達した時がまさに爆発の時刻ですので、
これから爆発は約2000年と少し前であったことが突き止められました。
西暦1年頃ですね。
天文学者の興味の一つはどのようにしてこの速度をパルサーが得たのか、ということです。
まだ答えは見つかっていません。
図1 超新星残骸G292.0+1.8と中心のパルサー PSR J1124-5916 (提供:NASA)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/728-fig1.jpg
図2 パルサーの運動(提供: Long Xi. 他, 2022, アストロフィジカル誌, 掲載予定 arXiv:2205.07951)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/728-fig2.jpg
本文終わり
パワポ
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/728-fig.pptx
references will be note-728