冬から春へ:ふたご座

卒業シーズンです。学校にいる私も近付いた別れを予感
して胸がしくしくする季節になってきました。夜空も
冬の星座に別れを告げる季節です。

頭上の星座は見つけ方の説明が要らないので簡単です。
3月2日の週の夜8時頃真上に見えるのがふたご座です(図1)。
ふたご座の東側には小さい「かに座」があってその東側に
は春の星座「しし座」がひかえています。なので、冬の星
座やがて春の星座に入れ替わるのを感じさせるのが「ふた
ご座」と「かに座」と言えます。こんな感じの呪文をとな
えることにしましょう。

「ポカッと口あけ、見上げる空に、金銀ふたごの星を見送り
春の星座待つ」

図1にあるようにふたご座にはその名前にふさわしい明るい
ペアの星、ポルクッスとカストルがあります。この歌では
ペアの星の名前を覚えるために「ポカッ」があり、その日本
名が金星と銀星でこれもこの歌で同時に覚えられます。そして、
ポルックスのほうが金色、つまり、ちょっと黄色みをおびた星で、
カストルのほうが銀色、つまり、白っぽい色をした星である
こともこれでわかります。明るさは金銀の順で、ポルックスが
1.1等星でカストルの1.6等星より明るく見えます。実際の
空をみればどっちが金でどっちが銀かはすぐに分かります。
ギリシャ神話ではポルックスが弟で、カストルが兄のふたご兄弟
です。弟の方が元気がよく明るいというのはよくある話でこれも
了解です。このふたごの星は見つけやすいので是非探してみてく
ださい。「ポカッと光る金銀の星」ですよ。

ふたご座が見つかれば、東側に目を移すと「しし座」が見え、
獅子の足もとに明るい土星が見えるはずです。今話題のルー
リン彗星は土星の近くにあります。

最後に、ふたご座には毛皮のフードに顔をつつんだエスキモー
に似ているというので「エスキモー星雲」というニックネーム
を持つ惑星状星雲があります。とても小さいので小さな望遠鏡
では図2のようには見えません。ハッブル宇宙望遠鏡ならではの
画像ですね。

図1 ふたご座
(アストロアーツ製ステラーナビゲータを用いて作成)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/73-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/73-fig1.jpg
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図2 エスキモー星雲
(ハッブル望遠鏡:NASA提供)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/73-fig2.jpg
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