ちょっと夜更かししてみませんか (No. 742)

date 2022 10 12
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ちょっと夜更かししてみませんか。
先日、ちょっと遅くまで起きていて窓の外を見てびっくり。
東の空に強烈に赤く明るい星が見えるではないですか。

もしかして火星が今年接近?と思って調べてみると、
確かにこれから12月にかけて徐々に火星が地球に接近するようです。
いわゆる「大接近」ではないですが、およそ二年ぶりの再接近のようです。
一番近いのは12月1日ですが、
今からでも非常に明るく見えているのですね。

感動的な色と明るさですから12月を待たず早速見てみましょう。
図1は今晩10時30分頃の東の空です。


図1のAの星はおうし座のアルデバランという星で、
こちらも恒星としては赤い部類の星ですが火星には及びません。
図1のBの星はぎょしゃ座のカペラという星です。
よくみると白というよりはやや黄色がかかっています。

ここで恒星の色と惑星の色について考えてみたいと思います。
恒星は高温の火の玉です。例えば、表面が2千度くらいであれば
ちょうどオーブントースターのフィラメントが赤く光るのと同じ色で見えます。
恒星の色はその温度で決定されます。
アルデバラン(Aの星)は4,5千度、カペラ(Bの星)は6000度位でオレンジから
黄色です。
図1のCの位置にある「すばる」(プレアデス星団)の星々は
青白く見えてどの星も1万度以上あるでしょう。

一方、惑星の色は太陽の光を反射して光っているので温度とは関係がありません。
赤い服を着ている人は赤く見え、青い服を規定いる人は青く見えるのと同じです。
火星は表面の赤土の色のために赤く見えます。
海王星はメタンを含む大気をまとっているので、メタンは赤い光を吸収し青い光を
反射して、海王星は青く見えます。
図2を参照して、
恒星の色と惑星の色は根本的に違う仕組みであることを理解しておきましょう。




図1 10月12日午後10時30分頃の東の夜空(Stellariumを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/742-fig1.jpg
図2 星の色の原因 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/742-fig2.jpg
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