太陽フレアの影響 (No. 757)

date 2023 01 28
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太陽表面で大爆発(太陽フレア)があっても昔なら何ということもなく、
オーロラがいつもより綺麗だな、くらいで済みました。
しかし、昨年総務省が発表した予測をみると、
現代ではとんてもなく大変なことのようです。
大きな太陽フレアが起こると、
携帯電話やカーナビで使うGPS(全地球測位システム)機能は、
2週間に渡って断続的に使えなくなる可能性があるそうです。
大規模な停電が起こるかもしれません。
電波が使えない、GPSが使えない、
となると飛行機や鉄道も運行できないでしょう。

私たちは電気や磁気の力を使って様々な便利なものを作ったのですが、
太陽フレアは電気と磁気の大爆発です。
そのため電気と磁気に大変な影響が出てしまうのです。
昔はなんでもなかったことが現代では大問題になるという
事情がわかっていただけたでしょうか。

太陽には黒点があることをご存知と思います(図1)。
図2のように黒点の数は約11年の周期で増減を繰り返します。
次は2025年頃に黒点が増加すると予想されています。
図1の黒点ですが、
同じ日の磁場の測定結果を図2の右に示しました。
黒いところと白いところが対になってます。
これが磁石のN極とS極の対に相当します。
黒点は強力な磁石になっていることをこの観測は示しています。
この磁石が太陽表面上で動いて大きな電流が流れ爆発を起こします。
大きな黒点が現れると大きなフレアがおこりやすくなるのです。

フレアの爆風が電気と磁気を伴って地球に襲いかかってきます。
その結果、最初に書いたような大きな災害とも言える現象になって現れます。
人間の科学技術が繊細になった分だけ、
自然環境も繊細に管理する必要があることがわかります。





図1 2014年10月24日に現れた巨大な太陽黒点(左)と 同じ日の太陽磁場の測定結果(左上)。左下には磁石のN極・S極の分布を描いてみました。 (提供:国立天文台太陽観測科学プロジェクト) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/757-fig1.jpg
図2 太陽の黒点数の経年変化 (提供:国立天文台太陽観測科学プロジェクト) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/757-fig2.jpg
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