人工知能(AI)による星空案(No. 767)
date 2023 04 08 --------------------------- 人工知能が色々な質問に会話形式で答えてくれるサービスが始まって話題になっています。 使い方に危険性もはらむのでこれから状況を見ていく必要があるサービスですが、 試しに、「今晩の星空案内をお願いします。」と問いかけてみました。 もしも完璧な星空案内をしてくれたら、 私の出番がなくなり、新聞記事は人工知能に書いてもらう時代に入ったことになります。 さて、図1のような答えが返ってきました。 変なところがありますがどこかわかりますか。 ******* 図 1 ******* この星空案内を信じますか。 まず、ペルセウス流星群は毎年8月13日ごろ見られます。 今の時期は見えないので、信じないでくださいね。 冬の大三角は、オリオン座のベテルギウスという星とシリウス(おおいぬ座)と プロキオン(こいぬ座)という「三つの星」からなっているので、 オリオン座と二つの星から成り立っているとするこの説明も間違い。 今晩見えることは正しいので冬の大三角は是非ご覧ください(図1)。 私が星空案内をするなら、 この三角は見事な正三角形ですよとコメントすると思います。 星雲の説明はほぼ正しいです。 星座の説明では、 南東の空に牡羊(おひつじ)座が見えると、まことしやかに言っていますが 実際は見えません。日没と同時に沈んでしまうので 今の時期は見えない星座です。 わざわざ数少ない見えない星座を選んでくるとはジョークがお好きな人工知能 なのでしょうか。 おひつじ座は星占いでは白羊宮という呼び方をします。 すると 「牡羊座」と「白羊座」は同じ星座の別名と考えられます。 「白羊座」が近くにあるというのも嘘です。 春に入ったので北斗七星が見頃ですが、 カシオペヤ座は見えにくくなっています。 さらに、国立天文台の星座表では、 カシオペア座ではなくカシオペヤ座と表記することになっています。 すごい星空案内だったらどうしようと思ったのですが、 現在はその能力は全くないようです。 しかし、改良は進むでしょう。 その時のために、 味わいのある星空案内を提供できるように研究しないといけないと 心が引き締まる思いです。
図1 AIによる星空案内を試してみました。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/767-fig1.jpg
図2 今晩午後7時ごろの夜空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/767-fig2.jpg
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