ヘルクレス座をみつけよう (No. 783)
date 2023 07 29 --------------------------- 今晩、一番見つけやすい星座はヘルクレス座です。 日が沈んで暗くなった午後8時頃、真上をみましょう。 そこにヘルクレス座があります。 簡単です。ここ数日はほぼ位置は変わりませんのでこのやり方をやってみてください。 ギリシア神話にでてくる英雄ヘラクレスの星座です。 ギリシア神話と星座とでは少しちがった発音で表記されています。 図1をご覧ください。赤の+が天頂(真上)です。 見上げた時の方角を間違えないようにしましょう。 東側にある明るい白い色の星が織姫(こと座のベガ)です。 西側に少し離れてある明るいオレンジ色がかった星が麦星(うしかい座アークトゥルス)です。 二つの星の真ん中よりベガよりの部分がヘルクレス座です。 さてどの星とどの星を結ぶと英雄ヘラクレスの姿になるでしょう。 山形の市街地では勇者の姿を再現するのは無理でした。 図1の水色の二つの三角を見つかれば合格としたいと思います。 意外と気になるのは竜の目(A)とかんむり座についている真珠(G)です。 ギリシア神話の英雄は神と人間の間に生まれた子であったりして、 並の人間より遥かに優れた能力を持った者として描かれています。 ギリシア人は、 現在のギリシアより北方のバルカン半島地域(図2参照) から何度かに分けて南下して来た民族です。 ミケーネ文明とよばれる高度な文明を築きますが、 それが滅んで一旦、暗黒の時代を迎えます。 その後、また発展しギリシア文明を築き、 それは現代の欧米の文化の基礎の一つとなっています。 ギリシア文明のなかでホメロスの叙事詩などに現れる英雄伝説は、 暗黒の時代の以前の出来事に由来するもだと考えられています。 ヘラクレスは大神ゼウスとアルクメネ(人間)の間の子で、 ゼウスは彼をアルゴリス地方(図2)の王にしたかったのですが、 ゼウスの妻ヘラの嫉妬をかうことになり、 ヘラクレスは迫害を受け続ける運命になります。 英雄とはいうものの苦悩の人生でした。 今は星座になって落ち着いた毎日を送っていることでしょう。
図1 ヘラクレス座(Stellariumを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/783-fig1.jpg
図2 ギリシア人が過ごした地域 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/783-fig2.jpg
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