プラネタリウム誕生100周年 (No. 786)
date 2023 08 19
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プラなタリウムは、
今からちょうど百年前、1923年ドイツの光学メーカーのカールツァイス社で誕生しました。
今年は百周年ということでさまざまなイベントが開催されます。
百周年行事を企画している井上毅さん(明石市立天文科学館)とお話をしていて
個人的なものですが発見がありました。
ツァイスI型とよばれる最初のプラネタリウムは決まった緯度の空を投影するものでしたが、
その後、世界中どこの空も再現できる改良型のツァイスII型が製作されました。
1926年のことです。これが世界各地に広がります。
そしてとうとう東洋初のプラネタリウムとして、
このツァイスII型が大阪の電気科学館に1937年(昭和12年)の設置されました(図1)。
大阪市立電気科学館は、
家庭や事業所への電気供給事業を行っていた大阪市電気局が設立10周年を記念して計画した施設です
当初は電気のある生活をアピールすような目的で娯楽施設的な計画でしたが、
最終的には、2階から5階を電気についての科学教育的な展示を行い、
6階と7階をプラネタリウムとして、日本初の科学館と言える施設としてオープンしたそうです。
このあと太平洋戦争の空襲で焼け残ったことで、
戦後も科学館として続けられ、
このプラネタリウムは電気科学館が閉館した1989年(平成元年)まで使われました。
戦後、科学館が残ったことが私にとっては重要でした。
非常に淡い記憶をたどると、
幼稚園か小学校一年生のころ親に連れられて何度も電気科学館に行っていたと思います。
よく覚えているのは、
コンクリートの地球を模した半球上の山があって、
そこによじ登っては滑り降りるという遊びをしていたことです。
ただこれまで、この記憶が本当なのか自信がなかったのです。
ところが、井上さんに昔の電気科学館の写真を見せていただき、
まさに記憶の彼方にあった半球が図2のように実在していることがわかりました。
ああここで、確かに、私は遊んでいたと確認できました。
プラネタリウムのマシンがロボットのようで怖かったのも覚えています。
こうしてみると、プラネタリウムを開発したり、科学館をつくったりということが
子供達に経験を与えて未来に繋がっていくのだなとあらためて思いました。
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図1 科学画報昭和12年(1937年)5月号でのカールツァイスII型の紹介
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/786-fig1.jpg
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図2 電気科学館屋上の大きな半球
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/786-fig2.jpg
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パワポ
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references will be note-786
786-ref-1.pdf 天文月報井上
786-ref-2.pdf 天文月報かず