4月の夜空

あたたかくなってくると夜になって外に出てるのもそれ
ほどおっくうでなくなってきます。春の空を眺めてみて
はどうでしょう。やさしく風が頬を撫ぜてくれますし、
軟らかい星の光りにゆったりと落ち着いた気分になります。

星座が何かはあまり気にせず明るい星もあれば暗い星も
あるのだなとおもいながら眺めてみてください。そのあ
とで、ちょっとばかり明るい星がどの方向に何個あるか
調べてみてください。西のそらに4つくらいでしょうか。
南の空たかいところにふたつくらい。東の空にふたつく
らいでしょう。見つかったら、これからの説明をあわせ
てその星がなんという星なのか探ってみてください。

まず、西の空です。南西の空に明るい星がひとつ、やや
くらい星がふたつ、あわせて正三角形になっていると思
います。そのうちの高さの低い星は赤い色をしています。
これが冬の大三角で、「おおいぬ座」のシリウス、「こいぬ座」
のプロキオン、「オリオン座」のベテルギウスです。
そして、西からやや北寄りに明るい黄色っぽい星がひと
つありませんか。「ぎょしゃ座」のカペラです。これが
西の空の明るい星たちです。図1で確認しましょう。

次に、南の空高いところに明るめの星がひとつ、もしかし
たら、その横に少し暗めの星がひとつ見えると思います。
明るい方が土星、暗い方が「しし座」のレグルス(獅子の
心臓)です。

次に、東の空にかなり明るく目立つ星がみえるとおもいま
す。ややオレンジがかっていると思います。そこから水平
に南よりに、やや劣りますが明るい星がみえます。こっち
は青白く光っています。明るい方が、日本では「むぎぼし」
と呼ばれる「うしかい座」のアルクトゥールス、すこし暗い
方がその色が示す通り日本名は「真珠星」とよばれる「おと
め座」のスピカです。

今見る「むぎぼし」の光りは「むぎぼし」を約37年前に
でた光です。今見る「真珠星」の光は「真珠星」を約260年前に
出た光です。時間を超えてふたつの光がひとつの網膜で出会ったというのは
不思議な感覚です。



http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/79-fig1.jpg (3枚一括)
図2 2009年5月11日午後8時頃の西の空
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図2 2009年5月11日午後8時頃の南の空
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図2 2009年5月11日午後8時頃の東の空
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