星空散歩
8月6日(No.8)
七夕

8月7日に七夕祭りをするところも多いと思います。

七夕には、五色の短冊に願いごとを書いて笹竹に飾りま
す。そして、ナスやキュウリを供えます。七夕が終わる
と笹竹は川や海に流され、天の川に届けば願いごとがか
なうのです。また、お盆の前にあたるのでその準備とし
て七夕のに日、お墓やそこまでの道をきれいにするとこ
ろもあります。

七夕は七月七日が本当ですし、お盆も七月十五日が本当
です。七月七日ではまだ梅雨のあいにくの天気で、織女
と牽牛も会うことができません。ナスやキュウリにも早
過ぎます。この不一致には困ったものです。

これは明治6年(1873年)1月1日から、グレゴリオ暦(太陽
暦)に改暦されたことによります。旧正月は新暦の正月
から一から二ヶ月遅れますからその遅れがづっと尾を引
きます。今年は二月十八日が旧暦の正月でした。なので、
旧暦の七夕(七月七日)は八月十九日になります。この頃
であれば、天の川も見えますし織女(こと座のベガ)
牽牛(わし座のアルタイル)も良く見えるでしょう。ナス
やキュウリもたくさん採れるでしょう。

しかし、来年、再来年の七夕はそれぞれ八月七日と八月
二十六日で、このように、七夕はかなり目まぐるしく移動
します。もちろんお盆の七月十五日も目まぐるしく移動し
ます。これは行事を行うには不便です。

そこで、月遅れという方法が登場しました。そうすれば
八月七日に七夕、八月十五日にお盆ということで毎年一
定ですし、季節感もまずまずです。 

これで良かったと思いますか?残念ながら、そうはいき
ません。七日は半月(上弦の月)で、お盆は十五日ですか
ら満月が見られるべきです。便利さをとったおかげで風
情のある月夜は楽しめなくなってしまいました。今年の月遅れの
七夕は、西側が欠けた半月が夜中の十時半頃昇って来ます。
(図)


写真1 七夕まつり


やまがた天文台の七夕まつりにて撮影

図2 月遅れの七夕では月の形が本来の左が欠けた半月にならない。
今年は、真夜中に右が欠けた月が昇ってくる。これから地球に接近する
火星もちょうどこの頃昇ってくるので注目しよう。