浦島太郎の星 (No. 807)
date 2023 01 27
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日本の昔話に星が出てくることはあまりありません。
星座がいっぱい出てくるギリシア神話と対照的ですね。
ところが、最近、日本の話に星をみつけました。
皆さんもよくご存知の浦島太郎の話です。
小さい頃、絵本で読んだという方も多いと思います。
五色の亀を助けた浦島太郎という若者は、
ご褒美に竜宮城に招待されて、
乙姫様にたいそうな接待を受ける話です。
お土産にもらった玉手箱は開けてはいけないと言われたのですが、
帰ってからつい開けてしまうと瞬く間に歳をとって
若者はおじいさんになってしまったという話でした。
お話はいろいろなバージョンがあるようですが、
記録に残る中では最も古いものは丹後國風土記に掲載されている浦嶼子(ウラシマノコ)の
お話しだそうです。
それを読んでみると、浦島太郎がもてなしを受ける場面で、
七人の童子と八人の童子が登場するのですが、
それぞれ昴星と畢星との説明があるのです。
星好きなものとしては日本の昔話に星が出てくるだけで感激です。
昴星と畢星は、中国の星座名で、
昴(ボウ)宿と畢(ヒッ)宿のことです。
日本の名前としては、
すばる星とあめふり星ということになります。
実際の夜空(図1)で探してみましょう。
現代名を呼ぶとプレアデス星団とヒヤデス星団です。
それぞれ、7つと8つの星が見えれば丹後國風土記の通りと
いうことになります。数えてみてはどうでしょう。
ヒヤデス星団の和名があめふり星となっている理由ですが、
中国の星座では畢宿は天気予報の星ということになっていて、
月が畢にかかると大雨ということなっています。
それが日本に伝わり、
日本ではヒヤデス星団をあめふり星というようになったそうです。
西洋ではヒヤデスは雨女ということになっているそうで、
偶然ですが西洋でも東洋でもヒヤデス星団は雨にかかわる星になってしまいました。
図1 27日午後7時半頃の南の空。
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/807-fig1.jpg
図2 昴星と畢星。それぞれ何個の星が見えるでしょう。
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/807-fig2.jpg
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パワポ
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