おとめ座物語 I

春の星座の人気者は「おとめ座」でしょう。
人気の秘密その「おとめ」というかわいら
しい名前のせいかもしれません。星座の形
はちょっと乙女(おとめ)とはみえませんが、
一等星のスピカは青白く清楚な感じの星で
すぐに見つけることができると思います。
(図1参照)

おとめ座にまつわる話はいくつかありますが、
その一つに、おとめ座は大地母神 デーメーテ
ールをあらわしているとする話があります。
今回はこのデーメーテールのお話を紹介しま
しょう。ちょっと長いので二回に分けておお
くりします。話はつぎの本を参考にしました
のでこちらも参照ください。

岩波ジュニア新書「ギリシャ神話」(中村善也、中務哲郎著)

デーメーテールのデーは大地の意味でメーテ
ール(meter)は英語のマーザーにつながってお
り母の意味です。ですから、穀物の育成を司る
大地母神です。

デーメーテールはゼウスとの間にペルセポネ
をもうけますが、この娘を、こともあろうに
冥界の王ハデスが花嫁にと望み、ゼウスも兄
のその願いを聞き入れます。これはまずい展
開ですね。

そんな事情を知らないペルセポネは野辺で花
摘みをしていました。すると突然大地が割れ
て、冥界の王ハデスが黄金の馬車に乗ってあ
らわれ、泣き叫ぶペルセポネを連れ去りまし
た。娘の叫び声に驚いたデーメーテールはか
けつけ探しますが娘の姿は見つかりません。
九日九夜、食事もとらず地上のすみからすみ
までさまよい歩きますが、何ひとつ手がかり
は得られませんでした。


しかし、天空からすべてを見ていたヘリオス
(太陽)が真相を教えます。しかし、娘を連
れ去ることを了解したのはほかならぬ夫ゼウス
であったことを知って、デーメーテールの
怒りはゼウスに向けられます。彼女は神々の集
うオリュンポスの峰を去って、人間の世界に降
りていってしまいます。そして、エレウシスと
いう所で自分を祀る社殿を作らせ、そこに身を
隠して、娘を恋うるあまりやせ細ってゆくので
した。

(このつづきは次回お楽しみに)こんな美しい
星のお話を語ってくれる星のソムリエになるた
めの「やさしい宇宙講座」の受講生がいま募集
中です。詳しくは、山形大学インフォメーショ
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http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/81-fig1.jpg
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図1 4月27日夜の8時頃の南東の空におとめ座が昇っています。
(アストロアーツ・ステラナビゲータを用いて作製)
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