はと座 (No. 812)
date 2023 03 02 --------------------------- 平和の象徴とされるハトですが、星座にもなっているのでぜひ見つけてみましょう。 戦争が続く歴史の中で、ぜひ見つけたい星座です。 今晩、陽が沈むと南の空高くオリオン座がみえています。 オリオンの足元にあるのがうさぎ座、その下にはと座があります。 図1をご覧ください。 おおいぬ座のシリウスというとても明るい星とオリオン座の足にあるリゲルという明るい星が あり、それらの星と地平線との中間位置です。 午後7時頃ですと、腕をまっすく水平に伸ばして、手首が地平線になっていれば、 4本の指の間にはと座が入っているはずです。 青の点線で囲った二つの星は3等星でなんとか見つけられると思います。 午後9時以降は地平線に沈んでいくので見えなくなります。 星座の中では珍しくキリスト教に由来した星座です。 聖書に出てくるノアの方舟のお話に鳩がでてきます。 洪水が終わったかどうかを確かめるために鳩が放たれ、 鳩がオリーブの若い枝をくわえて船に戻ってきたことで 水没した陸地が元の陸に戻ったことを知ったいうお話です。 はと座は、17世紀から18世紀ころの星図に現れたり消えたりしているので、 この時代に徐々に認められるようになってきたと考えられています。 しかし、その起源は古いらしくアレクサンドリアの神学者クレメンス(150-211/216)の著書に はと座のことが書かれているそうです。 方舟が作られ人類が生き延びたという洪水伝説はさらに古くて古代メソポタミアで 紀元前二千年紀前半に書かれた物語が現存しています。 古代メソポタミアの人たちはペルシア湾を出てインドまで交易していたようですが、 現在のようなナビゲーションシステムはないので、陸地が見える範囲で、陸地沿いに船を進めるしか ありませんでした。 陸地を見失った時、鳥を放って陸地を確認する方法が取られていたそうで、 船には鳥が同乗していたということです。 鳩はナビゲーターだったのす。
図1 3月2日午後7時頃の南の空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/812-fig1.jpg
図2 フラムスチード天球図(1776)(提供:Linda Hall Library) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/812-fig2.jpg
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