秒はなぜセカンド (No. 821)

date 2023 05 04
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読み方が同じで意味が異なる言葉を同音異義語と言いますが、
昔から気になっていた同音異義語にセカンドがあります。
時間の単位の秒は英語ではセカンドですが、第二番目というのもセカンドです。
両方ともsecondと綴り、辞書をみると同じ発音です。
最近、この疑問が解決しました。

時間の単位の基本となるのは1日です。
これは地球の自転が元になっており安定しています。
これを24に等分割して1時間を定めました。
紀元前2世紀のギリシアの天文学者ヒッパルコスはこの方法を使っていたそうです。

1時間では荒すぎるので細かい時間の単位が欲しくなったとき、
古代バビロニアから伝統的に使われていた60進法が適用されました。
そこで、1時間を60分割してその一つを分とします。
英語ではminuteですが、複数形のミニッツの方が馴染みがあるとおもいます。
これはミニとかミクロとかの仲間の言葉で小さいものという意味の言葉です。
分は大きなものの小さな一部分ということになります。

さらに細かい単位が欲しくなった時、2番目に細かいものが単位になります。
これが秒です。
1時間を60等分して、そのひとつひとつを60等分するので、3600分の1時間が秒です。


図1をご覧ください。
たとえば、 1時間15分36秒というのは、
1時間と、細かな部分である分が15個分と、
2番目に細かな部分である秒が36個分という意味になります。
図1の計算を使うと、十進法では、1.26時間と計算されます。
もうお分かりと思います。
秒は2番目に細かい目盛りいうことでセカンド(2番目)になったのですね。

天文学者は空に地球上の緯度経度と同じような目盛り付けています。
経度は時間を単位にすることが決まっています。
今の時期、見つけやすい麦星の経度は14時15分40秒といった具合です。
図2に経度の目盛りと一緒に描いてみました。


図1 60進法の計算 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/821-fig1.jpg
図2 麦星の近くの経度目盛り http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/821-fig2.jpg
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