月の公転 (No. 823)

date 2023 05 18
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星座を使わない星空観察にだいぶ慣れてきたでしょうか。
日が沈んで8時ごろ夜空を見上げると、麦星が随分と高く昇っています。
それもそのはず、麦の刈り取りも終ったころでしょう。

今晩は半月くらいの月が南の空高く見えています。
月を見る時、みなさんは見える方向や形にまず意識がいくと思います。
しかし、今晩は星と月の位置関係に注目してみまよう。

古代メソポタミアの人は月の通る場所が決まっていることに気がついていました。
それを「月の旅する道」と呼んでいました。
図1は今晩の夜空ですが、大きな矢印がその道です。
毎日少しづつ矢印の方向に動いてきます。
時間と共に動く日周運動(東から西)とは逆方向です。
今日は、図で示したように、一等星のレグルスとスピカのちょうど真ん中にいますが、
明日はスピカにより近くなり、20日にはスピカと月はほぼ同じ位置になります。
21日にはスピカの左側に移動します。
このように、星に対して月は東に向かって旅するわけです。

ここで、一つのポイントが浮かび上がってきます。
しし座のレグルス、おとめ座のスピカという一等星は「月の旅する道」の上にある。
必ず毎月一回、この二つの星は月と大接近します。
星占いに興味のあるおとめ座生まれの人は、
ここ数日間はおとめ座に月が入ってきたので何か起こるのかなと考えるかもしれませね。
一方、麦星は月の旅する道からおおきく外れています。

図2を見てください。
月は地球の周りを公転しており、今晩はこの状態です。
そして来月、いつ月がレグルスとスピカの間に入ってくるのか観察してみてください。
これによって月の公転周期がわかります。
月の満ち欠けの周期は29.5日ですが、
月の公転周期は満ち欠けの周期と大きく異なることを皆さんは発見するでしょう。





図1 5月18日午後8時頃の南の空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/823-fig1.jpg
図2 月の公転周期の調べ方 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/823-fig2.jpg
本文終わり   (homeへ)
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