アークトゥルス (No. 825)

date 2023 06 01
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麦星は、もうだいぶ見慣れてきたでしょうか。
今晩でしたら、東を向いて空を見上げると高い位置に明るく輝いています。
図1に示すように、天頂(真上)に小指をあてて、腕を伸ばすと親指の先あたりにある明るい星です。

これまで麦星という日本名で親しんできましたが、西洋ではアークトゥルスと呼ばれます。
発音は英語読みでも複数あって、さらにギリシア語、ラテン語読みもあるので、
カタカナでどう書くかは難しいところですが、国立天文台の表をみるとアークトゥルスとなっています。
先日、外国の方への星空案内でもこの言い方をしたのですが通じたのでこれで大丈夫そうです。

元はギリシア語で、アークトの部分が熊の意味で、その後ろにアウルスがくっついていて、
アウルスはキーパーの意味だそうです。
サッカーのゴールキーパーとおなじ、守る意味です。
なので全体としては熊の番人と訳されます。
アークトゥルスが熊の番人なら、近くに熊がいるはずですが、
どこにいるのでしょう。
おおぐま座ですね。

麦星の左側に三つ並んだ星がすぐに見つかると思います。
北斗七星の柄杓の柄の部分の星です。
この三つの星が作るカーブを延長した先に麦星があることを確認してください。
この関係が非常に重要です。
私は麦星らしき星を見つけたら、周りを探して、
この三つの星があれば麦星と確定します。
このテクニックをぜひ覚えてください。

この三つの星が熊のしっぽになります。
街の光のないところにおいでの方は、
図2を参考にして、熊の後足、前足、頭の綺麗な形をみつけてみましょう。
大きなおおぐま座の姿が浮かび上がってくると思います。








図1 今晩、午後8時頃の東の空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/825-fig1.jpg
図2 アークトゥルスとおおぐま座 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/825-fig2.jpg
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