なにから地球はできたのか? (No. 832)

date 2023 07 20
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「何から地球はできたのか」という質問をいただきました。
これは誰しも思う疑問で、
古代の神話の最初の部分でも語られることの多いテーマです。
神様が作ったというように簡単に済ます神話もあります。
最初は混沌としたものがあって、大地と空は混じっていていた。
それがやがて天と地に分離したというように少し理屈を述べる神話もあります。
本当のところはどうなのでしょう。

ここで重要なポイントは、
すべての物質は、温度が上がると、固体から液体そして気体と変化することです。
水の変化、氷、水、水蒸気と同じです。
固体からいきなり気体ということもあります。
しかし、高温になれば必ず最後は気体になります。
図1のように、岩石は低温で岩石(火成岩)ですが高温になると溶岩、つまり液体になります。
もっと高温になるとどうなるでしょう。
見たことがある人はいないと思いますが気体になります。
岩石気体とでも呼べるものです。
鉄などの金属も高温では金属気体になります。

宇宙のほとんどの部分は、
高温で希薄な気体で満たされています。
気体になった岩石や金属も含んでいます。
これを私は宇宙の空気と呼ぶことにしています。
宇宙空間は真空ではなく、宇宙の空気で満たされているというイメージです。

万有引力で宇宙の空気が集まっていくと放射冷却で冷えていきます。
すると気体から固体への変化が始まります。
金属気体からでしたら砂鉄のようなもの、
岩石気体からは砂粒のようなものができます。
実際は混じったものができます。
やがてそれは図2のように原始太陽の周りを回る微惑星の円盤を形成します。
太陽に近いところは高温なので気体のまま、ある程度離れたところに微惑星(岩石や金属)、
もっと離れると水も氷になるので氷入りの微惑星が作られます。
これらの微惑星が地球の材料となったというのが、
現代の科学が説明する
「何から地球はできたのか」という疑問への答えかなと思います。

最初は混沌としていてやがて固体成分が凝固して大地になるということで、
古代神話も当たらずとも遠からずというところでしょうか。



図1 固体から気体への変化 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/832-fig1.jpg
図2 微惑星の形成(提供:国立天文台、4D2Uプロジェクト) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/832-fig2.jpg
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