彦星 (No. 833)

date 2023 07 27
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梅雨も明けていよいよ夏の星を楽しむ季節になってきました。
今回は「彦星」です。
西洋ではアルタイルと呼ばれます。

南を向いて立ち、赤道帯を意識します(図1)。
真東から出発して中空を通って真西で終わる大きな円が天の赤道です。
その周りの帯状の部分を赤道帯と呼びます。
彦星はほぼ赤道帯に位置してます。
すっかりお馴染みになった麦星(西側)と東側にある織姫星は
両方とも赤道帯よりずっと高い位置(北側)ですので、はっきり区別がつきます。
さそり座のアンタレス(和名は赤星)は赤道帯よりずっと南側にあるのでこれも区別がつきます。
色は、アンタレスは赤い色、麦星はオンレンジ色、織姫星と彦星は白っぽい色をしています。

織姫星と彦星は七夕の星でペアと考えますが、西洋でもこの二つはペアで考えていて、
織姫星はベガと呼ばれその意味は落ちるワシ、アルタイルは飛ぶワシです。
彦星をよく見ると両側にそれぞれ一つの星を従えているように見えます(図2)。
この三つの星を飛ぶワシと見立てたのです。

空を見上げてこれは彦星かなと思ったら、
私はその星の周りを見て両側に星を従えていたら、確かに彦星だと安心します。
二つの星を従えていることが非常に大事です。

中国の七夕伝説ではこの二つの星は牽牛と織女の間に生まれた二人の子供です。
織織が天に戻ってから、牽牛は二人の子供との三人で暮らすようになります。
その後、天に昇る手段を手にした牽牛は、天秤棒の両側に二人の子供を乗せて天に登ります。
その姿がこの三つの星だと考えられています。
この三つの星を延長した方向に織女星があります。






図1 7月27日午後8時頃の南の空(ステラリウムを用いて作成) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/833-fig1.jpg
図2 彦星は両側にひとつづつ星を従えているのが特徴 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/833-fig2.jpg
本文終わり   (homeへ)
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