空の東西南北 (No. 836)

date 2023 08 17
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星座を使わないで星空を楽しむやり方をテーマにして今年は星空案内を進めています。
星座の形はわかりにくいものも多いですし、人口の光の多い中では見つけることも容易ではありません。
星座は使わないで、
明るい星や明るい星が作る単純な図形を中心に星空を楽しみましょう。
するととても簡単に楽しめるようになります。
「あの星がまた出ている」とか、「あの星がこんな時間に見えた」など気がつくようになると素敵ですね。

これまでも特に明るい「麦星」や「織姫星」を見つけてきました。
今晩も晴れていれば両方ともすぐに見つけられるでしょう。
織姫星が頭上に現れて真夏を感じます。

さて、明るい星を使った星空の楽しみでとても役に立つ考え方を紹介します。
それは、空の東西南北です。
地上の景色に方角を考えることは慣れていると思いますが、
空の景色にも方角を考えることができます。

図1をご覧ください。
真東から出発して、中空を通って真西に終わる大きな円が天の赤道です。
天の赤道よりも北側に織姫星があります。
赤い星として有名なアンタレスは赤道より南側にあります。
赤道上で左方向が東、右方向が西です。
図1で、「麦星から東方向に進んで、それから北にすこし進むと織姫星があります」といった言い方ができます。
これでなんとなく空の東西南北がわかったでしょうか。

北を見ると図2のような空になっています。
北極星の近くにある「天の北極」に向かう方向が北です。
織姫星から下方向が北ですが、地平線付近では北は上向きです。
麦星からは右方向が北です。
図2で点線の矢印をご覧ください。
「麦星から東方向に進んで(時計回り)、それから北にすこし進むと織姫星があります」と言えて
これは図1で使った説明と全く同じ言い方です。
つまり、星をみている人がどっちを向いていても、
空の東西南北は変わらないという利点があります。

「○ ○ 星の北に △ △ 星が見えます」のように空の東西南北で星を覚えておけば、
季節や時間とともに星が移動しても、
どんな場合にも、
間違いなく星を見つけられます。
図1や図2を参照しながら空の方角を使えるようにしておきましょう。



図1 今晩8時頃の南の空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/836-fig1.jpg
図2 今晩8時頃の北の空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/836-fig2.jpg
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