日震学 (No. 838)

date 2023 08 31
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海岸に打ち寄せる波は見ていても飽きません(図1)。
癒されますね。
打ち寄せる波の周期や波長(波の山と山の間の長さ)に規則などなさそうです。
しかし、実際はちゃんと法則があって、
海岸近くだと波を見て海の深さが計算できたりします。

海ではなく地面の波、つまり、地震波を調べると、
震源がわかるだけでなく、
たくさんの地震のデータを合わせると、
プレートの形を知ることができます。
人工的に地震をおこして地面の下の構造を文字通り「打診」して調べることもできます。

次は太陽です。
太陽の表面をよく見ると、
ボコボコ沸騰したお湯のようにガスがうごめいているのがわかります。
これも一見ランダムに見えますがそこには規則があります。
太陽を望遠鏡で調べて、そのボコボコ沸騰している泡の振動数と
泡のサイズを調べると図2のような図が得られます。
なんと綺麗な図でしょう。
そこには何かの物理法則が隠れていることは容易に想像できますね。

この振動を使っていろいろのことが調べられました。
太陽は自転していますが、
内部の自転はどうなっているのかが解明されました。
ボコボコ対流しているのはどれくらいの深さまでつづいているかもわかります。
内部の密度分布もわかります。
現在では、
太陽の磁場はどうなっているのか、太陽黒点の近くのガスの運動、
内部のガスの詳しい動きなど研究が進んでいます。

このように光を使って見ているだけでは太陽の中がどうなっているかわからないのですが、
波をつかうと内部の構造をしらべることができます。

普段何気なく見ている景色にもなにかそこに大事なことが隠されているかもしれません。
いろいろ考えて試してみてはいかがでしょう。





図1 海岸に打ち寄せる波に何か意味があるとは思えないですが。 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/838-fig1.jpg
図2 太陽表面の波の振動数と波長の関係 (クレジットは図の中に記載しました。) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/838-fig2.jpg
本文終わり   (homeへ)
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/838-fig.pptx references will be note-838 fig 1 Copyright (c) 1997 by the Theoretical Astrophysics Center, Institute of Physics and Astronomy, Aarhus University, Aarhus, Denmark. https://solar-center.stanford.edu/helio-ed-mirror/english/engmdi-lnu.html