土星登場 (No. 841)

date 2023 09 21
---------------------------
今日は星座を使わない星空案内の面目躍如のお話です。
星座を使わない星空案内では明るい星を使います。
それも一等星ではなく、さらに明るい0等星を使います。
今の季節、ほぼ頭上にかがやく織姫星、西の空に沈みつつある麦星。
この二つが今晩もすぐに見つかりますね。
重要な0等星にはもう一つカペラという星がありますが、
冬の星なので今は見えません。
以上、三つの星が分かれば怖いもの無しです。

ところが、南東の空に明るい星が見えるのでびっくりします。
さらに、いろいろな事情で真夜中まで起きていたら、
さらにもっと明るい星が東の空に現れます。
これら二つの明るい星は、冒頭で述べた3つの明るい星ではない予定外の星です。
このように予定外の明るい星が現れたらそれは惑星です。
惑星は星座の中を動き回るのでインターネットや天文雑誌などでその位置を確認しないと
わからないとされていますが、
明るい星を使った星空案内を学んだ人であれば、そんなものは不要です。
予定外の明るい星を見つけたら金星、木星、土星、火星のどれかです。
水星は肉眼でも見えますがいつも太陽のそばにいるので簡単には見つからない存在です。
金星は白い輝星、木星は木の色、土星は土の色、火星は火の色(赤)なので、
見慣れてくると色味で区別もつきます。

図1のように東の空に見えているのは土星です。
真夜中に登場する明るい星は木星です。

もし、望遠鏡で星を見せてもらえる機会があったらぜひ土星を見せてもらいましょう。
土星には輪があるので人気の惑星です。
図2が今晩見た時のシミュレーション画像ですが、
なんだか図鑑で見るような土星とは違いますね。
それは輪が細いからです。
土星が太陽の周りを公転する間にちょうど輪を真横からみるアングルがあります。
輪はとても薄くて、厚さ1kmほどなのでそのとき輪が見えなくなります。
土星の輪の消失と呼ばれます。
来年我が消失します。


図1 9月21日午後8時頃の南東の空 (ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/841-fig1.jpg
図2 今日の土星 (ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/841-fig2.jpg
本文終わり   (homeへ)
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/841-fig.pptx references will be note-841

図3 輪の消滅の原理図 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/841-fig3.jpg