サイエンスコミュニケータ (No. 844)
date 2023 10 12
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先日仙台市で開かれた講演会でサイエンスコミュニケータについて話しました。
サイエンスコミュニケーターとは、
科学・技術の発見や発明をする最前線の研究者と市民の間のコミュニケーションをサポートする人を指しまします。
コロナ感染の時を例にとると、医学的最先端の研究成果を担う専門家と一般市民の間に立って感染防止をわかりやすく説明したり、
もっと重要なこととしては、感染防止の政策を決定する立場にある政治家に政策提言するという役割もありました。
星空案内をする人もサイエンスコミュニケータです。
宇宙物理学の最先端の事実を紹介しながら、たとえば図1のように、広い宇宙にあるちっぽけな地球に私たちが住んでいるという
見方を伝えます。
宇宙から見た孤立した地球の視点があれば、たとえば地球温暖化への対策や世界平和への気持ちを強く持てるようになると思います。
ここにもサイエンスの視点が市民生活に浸透することの役割があります。
科学・技術の恩恵を受けるのは大多数の市民なのですが、
一方で、科学・技術の開拓者である専門家がごく少数であるとう数のギャップが問題になります。
医療技術にせよ、車・鉄道・飛行機のような高速移動手段にせよ、人工知能にせよ利用するのは私たち市民です。
科学・技術は同時に害を及ぼしますから、その対策をしなければならないことが度々発生します。
民主主義の社会では対策を決定するのは市民が選挙で選んだ代表ですが、市民には専門知識が足りません。
どうしても専門家と市民を繋ぐコミュニケータが必要になります。
科学・技術が進歩するほどサイエンスコミュニケータの重要性が増してきます。
サイエンスコミュニケータがプロの仕事としてもボランティアベースでももう少し人口の中でしめる割合が増えないと地球社会は
不安定になると思われます。
図2は最近見つかったうお座にあるグリース12bという、大きさがほとんど地球と同じ惑星です。
左が地球、右の三つはその惑星の考えられる3つの状態に対する想像図です。
宇宙のあちこちに地球のような惑星があってその上で同じような悩みをしている宇宙人がいるのでしょうか。
いい知恵がないか相談したくなります。
図1 アポロ13号から見た地球(提供:NASA)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/844-fig1.jpg
図2 地球と同じ大きささの系外惑星グリーゼ12bの想像図
提供:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (Caltech-IPAC)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/844-fig2.jpg
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