月の色 (No. 846)
date 2023 10 26
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図1のように晴れた日に庭に赤いパネルを置いたとします。
人はこのパネルをみて赤い色をしているを思うわけですがそれはなぜでしょう。
太陽の光がなければ真っ暗で何色かわかりません。
パネルは太陽の光を受けることで赤く見えているのです。
太陽の光の色は白ですが、実際は虹色に分けられることからわかるように、
様々な色の成分の混合物です。
ここでクイズです。
次のどちらが正しい考えでしょう。
(1)パネルは太陽からの光を受けた時、赤色成分を吸収し、それによってパネルは赤だという性質をもらいます。
そのために、パネルは赤く見えます。
(2)パネルは太陽からの光を受けた時、青色成分を吸収し、赤色成分を反射します。
そのために、パネルは赤く見えます。
私の調査結果では、(1)をえらぶ人、(2)を選ぶ人はほぼ半数づつです。
どちらもそれなりにそうかなぁと思える答えです。
特に、古代の人は(1)が多く、科学の発展とともに(2)が正しいことがわかってきたという歴史があります。
(2)の考えに従って月の色を考えてみましょう。
図2は土星に言った探査機ガリレオが、地球でスイングバイした時に撮った、
月と地球のツーショットです。
左側から太陽の光が当たっていて、その光を月と地球が反射しています。
地球は海、陸地、雲がそれぞれ違う色の光を反射しているので場所によって色が違っています。
月は海も大気もないので土・岩石で覆われているので全体としては黄色っぽい色をしています。
月の色はさらに複雑です。
月で反射した光は地球の大気を通って私たちの目に入りますから、
地球の大気で青い方の光がより強く吸収されるので色味がやや赤い方にずれます。
夕焼けと同じメカニズムです。
月の出、月の入りの近く、地平線に近い月はやや赤みを帯びることになります。
日本では月を愛でる習慣があります。
黄色の月、赤っぽい月、頭上近くで青白い月、暈を被った月など月の色を楽しみましょう。
このような微妙な月の色の違いも感じながら月見を楽しみましょう。
図1 色がついて見えるわけ
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/846-fig1.jpg
図2 探査機ガリレオからみた地球と月(提供:NASA/JPL)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/846-fig2.jpg
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パワポ
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