新設星座 (No. 850)

date 2023 11 23
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ろ座という星座があります。
感じで書くと「炉」で、
科学の実験道具です。
山形でも見ることができます。
今晩午後10時ごろの夜空を図1に描いています。
オリオン座が高く登っていて、リゲルという0等星の横から南に続くエリダヌス座のうねりの中にろ座があります。

現在使われている88の星座のうち、紀元前につくられた48星座がしばらく使われていましたが、
その後、新しい星座がたくさん作られました。
そのような新設の星座を整理した結果が88星座です。
新設した星座を、設置した天文学者の名前とともに図1(表)にしましたのでご覧ください。
いろいろ変わった星座がありますね。

このような星座の設置時期は確定が難しいのですが、
設置した天文学者の生没年を年表に重ねると、
新しい星座が作られた時代背景を知ることができます。

ブラーエと書いてあるのは、ティコ・ブラーエというとご存知の方もいるのでないでしょうか。
惑星の運動を精密に測定したことで有名です。
ブラーエのデータを使って、ケプラーは惑星が太陽の周りを楕円運動することを発見しました。
そして、ガリレオが望遠鏡を使って宇宙を観察した時代がやってきます。
その後、地動説が確立しまし。
ニュートンのプリンキピアは力学の理論を打ち立てた書物でこれによって惑星の運動は完全に理解できるようになりました。

新しい星座は、大航海時代を経験し天文学が発展したヨーロッパで作られたことがわかります。
この時代をすぎて19世紀にはいってくると、天文学と物理学が合体して宇宙物理学の時代に突入します。
たとえば、太陽の光をプリズムで分けることによって太陽がどんな物質でできているかが分析できる時代になります。

新設された星座の中には、けんびきょう座とかぼうえんきょう座があることから時代の流れを感じることができますね。
しかし、多くの新設星座は名前に相応しい形をしているわけではありません。


図1 今晩午後10時頃の南の空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/850-fig1.jpg
図2 新しく作られた星座の表 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/850-fig2.jpg
図3 星座を作った天文学者の生きた時代 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/850-fig3.jpg
本文終わり   (homeへ)
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