カペラの周りが賑やか (No. 852)
date 2023 12 07
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明るい星を一等星と呼びますが、それよりワンランク上の特に明るい星を輝星と呼んでみましょう。
季節を代表する3つの輝星の内、春の麦星、夏の織姫星が姿を消し、
三つ目の輝星である冬を代表するカペラが元気に北東の空高く昇っています。
そして、4番目に登場する輝星はオリオン座のリゲルです。
日本で見える輝星はぜんぶで5つです。
図1を見ると、
北東方向にカペラ、南東方にリゲルが青白く光っています。
この青白さは表面温度が2万度付近であることを物語っています。
太陽の表面温度が約6千度ですから、リゲルはとても温度の高い星ですね。
リゲルの名前はアラビア語のリジル・アル・ジャウザ(巨人の左足)に由来しいて、
図2のようにオリオンの左足です。
オリオン座は三つ星が垂直に並んで昇ってきますので図2はその方向に合わせました。
三つ星を挟んでリゲルの反対側にベテルギウスという一等星があります。
こちらは日本では赤星とも呼ばれ、赤っぽい色をしています。
表面温度はぐっと低く4千度より少し低いくらいです。
こちらの星はアラビア語で巨人のわきの下です。
三つ星を囲む4つの星を図2のように結んで、日本では鼓(つづみ)星と呼んできました。
三つ星の左側に小さな三つ星が見え、その名も「小三つ星」です。
この場所に有名なオリオン大星雲があります。
人口の光の少ないところであればこれらは肉眼でも見えますし、デジカメでも綺麗に写りますのでお試しください。
今年はこのあたりの景色は異常です。
カペラとリゲルの真ん中に割り込んで、この二つの星より何十倍も明るい木星がいるからです。
おかげて空はとても賑やかです。
来年はもうこの位置にいませんので今のうちにいっぱい楽しんでください。
木星がこの位置に戻って来るのは12年後になります。
その頃、私は何をしているんだろうと夢を語るのもいいですね。
図1 今晩8時頃の東の夜空 (ステラリウムを用いて作図)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/852-fig1.jpg
図2 オリオン座付近の星々
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/852-fig2.jpg
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パワポ
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