川の星座 (No. 856)
date 2025 01 18
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古代より人類は洪水に悩まされてきました。
これは現代も続いています。
災害に立ち向かうにはまず自然をよく観察することです。
古代の人々は、
川の水が溢れて、田畑も家畜も人も飲み込んでしまう様子を見た時、
「これはきっと川(水の神様)が飢えて、
それで、作物も家畜も人も何もかも飲み込んで腹を満たそうとするのだ。
洪水の前に生贄を川に捧げて、飢えを防げば、洪水も起こらなくなるだろう。」
と考えるのも理解できます。
そして、日本にもありますが、
洪水を治めるために生贄を捧げるというような儀礼がおこなわれるようになったのでしょう。
また、堤防を作る、川の流れを変えるなど治水工事に取り組む人も現れました。
治水の儀礼も土木工事の技術もその後洗練されていきます。
現代的な見方で言うと治水工事をするのが正攻法と言うことになると思いますが、
儀礼も工事も洪水を治めたいと言う人々の思いからで両方の想いはともに尊重したいですね。
さて、空に目を写して川の星座があるかというと、あります。
ちょうど今の季節見えているので紹介しましょう(図1)。
オリオン座の0等星のリゲルのあたりから目立つ星を繋いでいくと地平線に至るまで連なる
エリダヌス座が見えます。これは紀元前よりある星座でエリダヌス川だとされます。
山形から見ると地平線で川が途切れてしまうのですが、実際にまだまだ続いていて、
沖縄くらいまでいくと図2のように地平線の下にある川の終着点の1等星アケルナルまで見ることが
できます。
シリウスの南の地平線の下にはシリウスに次いで明るいカノープスという星も隠されています。
この二つの星が見えるとさらに冬の星河が賑やかになるのですが残念です。
視野を広げると言うのは重要です。
古代メソポタミアの人は洪水に悩まされていましたが、もし、
彼らがトルコの山岳地帯の雪解けと洪水が関係していることまで視野を広げていたら
洪水の予測ができたのになと思ってしまします。
飛躍ですが、
人類も他の星の宇宙人の文明を見つけて視野を広げたらだいぶ反省点がいっぱい出てくるので
ないでしょうか。
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図1 今日午後8時頃の南の夜空
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/856-fig1.jpg
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図2 もし、地平線の下が見えたら。
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/856-fig2.jpg
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パワポ
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