グレゴリオ暦 (No. 857)

date 2025 01 25
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私たちが今日使っている太陽暦、正確にはグレゴリオ暦、について学びたいと思います。
太陽暦は、春分、夏至、秋分、冬至、そしてまた春分に戻るという太陽の運動周期を1年として作られた暦です(図1)。
やはり太陽の動きで決まる1日という単位で日を数えます。
すると、一年の長さはおよそ365日であることがわかります。
しかし、ピッタリ365日ではなくて、一年は少し長くて、約365.24日、つまり、365日プラス6時間ほどです。
この6時間のズレは4回溜まると24時間、つまり、1日になりますから、
もし、一年を365日と定めてしまうと、4年ごとに1日づつずれてしまい、40年では10日もずれてしまいます。
最初、3月21日が春分の日であっても40年経つと3月31日が春分の日になってしまうという問題が生じます。
これを続けていくわけにはいきませんね。

そこで、4年に一度、一年を366日にする閏年というのを挿入してずれないようにすることが考えだされました(図2参照)。
ローマの英雄ユリウス・カエサルが紀元前46年にこの閏年の入ったユリウス暦を制定しました。

これで一安心ですが、もう少し正確にいうと1年は365.2422日です。
こんなわずかな差ですが、16世紀ごろには3月11日頃に春分がきてしまってました。
春分、夏至、秋分、冬至など全体が10日もずれると専門家でなくても変だと気づくくらいのズレです。

キリスト教会の行事を行う日は復活祭が重要な起点になりますが、復活祭の決定に春分の日が必要でしたから、
これはなんとかしなければいけない状況になりました。
そこで少し多すぎた閏年を少し削って調整する以下のようなルールが決められました。
これが現在私たちが使っているグレゴリオ暦です。

1. 西暦が4で割り切れる年は閏年
2. 上記のうち100で割り切れる時は閏年にしない
3. 上記のうち400で割り切れる年は閏年を復活する

こうすると400年間に閏年が97回あり、一年の平均値は365.2425日になり正確な一年に近くなりました。
まだ少しずれているのですが、とりあえず私たちはグレゴリオ暦を使っています。

最後にどの日を何月何日にするかを決めれば暦が確定します。
それは、ローマ法王グレグリオ13世が
この暦を定めた1582年当時の春分の日が3月21日になるようにすることで決まりました。









図1 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/857-fig1.jpg
図2 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/857-fig2.jpg
図3 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/857-fig3.jpg
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