からす座 星が三つあれば三角座、星が四つあれば四角座といふうに したら空は三角座と四角座で埋めつくされそうな気がしま すが実際の星空をみるときれいな三角や四角はそれほど多 くはありません。 そのなかで一度見たら二度と忘れられないような見つけや すい四角形の星のならびが「からす座」です。むかし、オ ーストラリアのシドニーで夜空を見上げたときのことです。 南半球で見る星座は、日本でみるときとは高さも方向も全 然違うし、南半球でしか見えない星座もあるので、しばら くは一体どんな星座が見えているのか悩んでいました。そ のとき、問題を一気に解決したのは、「あれ、この四角形、 どこかでみたことあるな。」と目にとびこんだ「からす座」 でした。日本ではちょうど梅雨のころ南の空に良く見えて います(図1)。 からす座のとなりはコップ座で、その下に「うみへび座」 が長く横たわっています。この三つの星座は非常に古くメ ソポタミア時代からあった星座です。こんな物語が伝わっ ています。 太陽神アポロンのカラスは、コップに水をくむのが仕事で した。ある日、イチジクの木の下で、実が熟するのを待って ていたら、水くみがおくれてしまいました。カラスは泉に いた水ヘビをつかまえ、「こいつがあばれたたので仕事が おくれました。」とうその言いわけをしました。アポロン はカラスのうそをみぬき、ばつとしてイチジクの実を熟し ているあいだは、のどが痛くて水を飲めないようにして しまいました。このカラスとコップと水ヘビが星座になり ました。(小学館の図鑑NEO「星と星座」より) 図1 からす座とコップ座とうみへび座 (6月8日20時ころの空)。 (アストロアーツ・ステラナビゲータを用いて作成) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/86-fig1.ppt http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/86-fig1.jpg 画像をクリック(拡大)