星までの距離と星占い (No. 879)

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date 2025 06 28
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惑星は星座の中を基本的に東に向かって移動します。
これを順行といいますが、
時々惑ったように逆行(西向き)します。
この不思議な動きを読み取って星占いをするわけです。
現在、土星と海王星が同じ方向にあって図1のような運動をします。
二つの惑星は、ふたつの星座を跨ぐようにフラフラしながら動いています。
ある星占いの人は、
大事な惑星がこのような運動になるのはこの世界が大きな変動期にはいる前兆だと言っていました。

土星と海王星が調子をそろえて同じように順行と逆行を示すのは一見不思議に思えますが、
ちょっと科学的に考えると当たり前のことだと理解できます。
私たちは、惑星の順行・逆行が地球の公転が原因だと知っています。
地動説ですね。
腕を伸ばして親指を立てて、親指を見ながら首を左右に振ってみてください。
背景の景色の中で親指が右に左に動きますね。
これがまさに、地球の公転による順行・逆行運動です。
これとは別に、惑星は東向きにゆっくりと運動ていますので、
両者が混じった図1のような運動をします。

東向きの一定速度の運動を差し引いた残りの運動だけをとりだずと、
図2のように地球の公転運動に対応した往復運動だけが取り出せます。
海王星の往復運動が土星より小さいのは海王星が土星より遠くにあるからです。
つまり、この往復運動の振幅はその惑星までの距離の指標です。

図2を読み取ると、
運動の振幅は経度にして、土星が約6度、海王星は約19度になります。
この角度をラジアン単位にして逆数をとると、10と30という数字が得られます。
これは、土星までの距離は約10天文単位、海王星までの距離は約30天文単位ということに他なりません。
1天文単位は地球の公転運動の半径です。
星占師は実はちょっと考えるとその惑星までの距離を知ることができたのでした。



図1 2025年1月1日から2026年12月31までの土星と海王星の動き http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/879-fig1.jpg
図2 東向きの等速運動をのぞいた残りの動き(年周運動) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/879-fig2.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
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