アンタレス食 (No. 880)
date 2025 07 05
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まもなく7月7日七夕ですね。
といっても、七夕の日は旧暦を用いて本来決めるものです。
そうすると、今年の七夕は8月29日になります。
随分と先の話ですね。
今年は旧暦6月の後に閏6月が加わって、6月が2回もあるのです。
そのため、7月がだいぶ先に延びたのでした。
織姫星と彦星はさぞかし待ち遠しく思っていることでしょう。
来週の月曜日7月7日の夜空を図1に描きました。
星探しの鉄則に従って、春の輝星「麦星」と夏の輝星「織姫星」を見つけましょう。
どんなに人工の光の強い街中でも見つけられるでしょう。
二つの星の中間地点から地平線に向かって視線を下ろしていくと、
さそり座のアンタレスと月が並んでいるます。
アンタレスはその色が赤いのが特徴です。
「あかぼし」と呼んでいた地域もあります。
それより「うめぼし」がいいかもしれません。
月とアンタレスが非常に近くいます。
そして月は矢印のように東に向かって移動し、明日はAと書いた所に居るでしょう。
すると今晩から明日のどこかで、
月とアンタレスが重なって、アンタレスが見えなくなる「アンタレス食」
が起きるんじゃなかと思ってしまいました。
真夜中になると月はアンタレスに大接近していますが、
まもなく西の空に沈んでその後どうなるかは山形からはみえません。
その後の様子が見えるアラビア半島ならと思い、
プラネタリウムソフトを使って調査しました。
そうすると、アラビア半島では月の縁のギリギリの所を通り過ぎて、
食にはならないことがわかりました。
人間の欲望というのは一旦湧き出すと止まらないものです。
どこかで「アンタレス食」が起きていないか追求したくなります。
少し視線を下にすれば良いと思えたので、
南に移動すればいいかもとプラネタリウムソフトを動かし続けました。
そしてついに、南アフリカに行けば、
確かに月の後ろにアンタレスが入り込んで「アンタレス食」が見えることがわかりました(図2)。
調査に1時間くらいかかりました。
こんなことに人生を使っていいのかと疑問が残りますが、
地球上の観測地点の移動で月と星の位置は結構変わることがわかりました。
星占いでは誕生日だけでなく誕生地もが必要と言いますが関係しているかもしれません。

図1 7月7日午後9時ごろの夜空(ステラリウムを用いて作図)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/880-fig1.jpg

図2 南アフリカでの2025年7月7日19時24分(現地時間)の夜空(ステラリウムを用いて作図)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/880-fig2.jpg
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