りゅう座に挑戦 (No. 883)
date 2025 07 26
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夏にはどこか山や海に遊びに行かれる方も多いのでないかと思います。
光害の少ない星がたくさん見えるところで満天の星を見ていただければと思います。
夏の大三角などはもちろんですが、
せっかくですので普段見ることのない「りゅう座」を探してみましょう。
図1は7月26日の午後8時頃の北を向いてみた夜空です。
長く伸びたとても立派な形をした竜の形が見つかれば大成功です。
目標となるのは、頭上近くにある織姫星(ベガ)やはくちょう座のデネブ、
西の地平線に傾きかけた北斗七星、そして、正面にある北極星です。
りゅう座のアルファ星(図のA)は、星座が誕生した紀元前の大昔の北極星で、
この星を中心にして星座が回っていました。
暗くて地味な星ですが、昔は王座に座っていた星です。
したがって、りゅう座は歴史が古くプトレマイオスの48星座に含まれており由緒ある星座です。
竜の目とも言われる、BとCの星は3等星と2等星でずっと目立ちます。
ラスタバンとエタミンという名前ですが、
なんだかどこかで飲んだことのある薬の名前のようですね。
この二つの星と織姫星とデネブで小さな夏の三角を作っています。
りゅう座が確認できたら、視力検査にDの場所を見てください。
二つの星が確認できればかなり良い視力です。
Eの星も視力が良ければ二つの星に見えます。
双眼鏡でこの辺りを散歩するとたくさんの星が見えて綺麗です。
りゅう座の一部に、壁面四分儀座という星座が作られたことがあります。
フランスの天文学者ラランドが1795年に設定した星座です(図2)。
90度だけの分度器のようなものを壁に取り付けて
星の位置を測定するために使っていた四分儀を記念したものです。
しかし、現在私たちが使っている88星座からは外されて今は使われなくなってしまいました。
ただ、1月に現れるしぶんぎ座流星群というのがあるのですが、
この流星群の名前として残っています。
流星群があるという特別の日でなくて流星はいつもいくらかは流れています。
りゅう座を探している間に流れ星に出逢ったら幸運です。

図1 今晩午後8時頃の北星空
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/883-fig1.jpg

図2 フラムスチード天球図譜(提供:Hinda Hall Libray)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/883-fig2.jpg

図3
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/883-fig3.jpg
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