南斗、北斗、なんと? (No. 897)

(他の記事も読む) (homeへ)
date 2025 11 01
---------------------------
久しぶりに晴れた昨晩は小国町小玉川で星空を楽しみました。
米沢から西へ新潟との県境に近い場所ですので人工の光もほとんどなく満天の星空でした。
そこで一番最初に目に飛び込んできたのは南の山の上にくっきりと見える南斗六星でした(図1)。
2等星と3等星からなる柄杓(ひしゃく)形の星の並びです。
中国では北の空に見える北斗七星が死神と考えられ、
それに対抗するものとしてこの南斗六星が長寿の神と考えられていました。
北枕を忌み嫌う習慣がありますがそれはこの北斗のためです。
南斗の方向を枕にすると良いかもしれません。

柄杓(ひしゃく)形の星の並びはほかにもあります。
図2は同じ時刻に北を見た時の夜空です。
北極星があり、北極星を含む星の並びが小北斗とよばれる
柄杓(ひしゃく)形になっています。
その下に本家の北斗七星があります。
今の季節ですと地平線に近いので北に山などがあると見えないかもしれません
北斗七星は春に空高く綺麗に見えます。
北斗七星と小北斗が同じような形になっているのはまさに神様が授けた偶然で、
そのおかげで、北斗七星がおおぐま座、小北斗のほうがこぐま座になりました。

他に柄杓(ひしゃく)形の星の並びはないかと探してみると、
先週もご紹介した秋の四辺形が大きな柄杓(ひしゃく)形を作っています。
図3をご覧ください。
ペガスス座(天馬)の馬のおへその星からアンドロメダ座に伸びる星が二つ、
そしてペルセウス座の一番明るい星までが大きな柄杓になっています。
これも偶然ですが、どの星の間隔もほぼ同じです。
腕を伸ばしてVサインを作ってこれらの星を眺めてください。
どの星の間隔もVサインの二つの指の間隔とほぼ等しくなるはずです。
とても大きな柄杓です。
秋の大柄杓とでも呼びましょうか。

秋の大柄杓と北斗七星の共通点は、柄杓の柄の端から二番目の星、
図2と図3のa の星は両方とも綺麗な二重星であることです。
望遠鏡をお持ちの方はお楽しみください。
思ったのですが、もしかしたら柄杓形の星の並びはほかにもあるかもしれません。
どうぞ探してみてください。


図1 10月上旬午後6時から7時頃の南の空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/897-fig1.jpg
図2 同じ時刻の北の空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/897-fig2.jpg
図3 同じ時刻の南東の空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/897-fig3.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/897-fig.pptx pptx references will be note-897