七五三 (No. 899)

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date 2025 11 15
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十一月十五日は七五三です。
この日を子供の成長を祝う、あるいは、願う日となるきっかけになったのは、
徳川三代将軍家光の三男徳松(後の、五代将軍綱吉)の身体が虚弱であったので、
五歳の祝いを慶安三年十一月十五日に行ったことだと言われています。
これに江戸庶民が倣うようになって現在も続けられている行事となっています。

なぜこの日になったのかは星座が関係しています。
私たちが馴染んでいるお誕生日の十二星座と似たような、十七宿(インド式)あるいは十八宿(中国式)というシステムがあります。
宿は星座のことです。暦にこれを使うのですが、
その中の鬼宿というのがあってこれが、
お釈迦様が生まれた日が鬼宿だということで、
とても縁起のいい日とされています。

星座としての鬼宿がどこかを図1に示しました。
現代風にいうとちょうどかに座に当たります。
カニの甲羅に当たる4つの星が鬼宿です。
その中に人の魂が光っていると言われる積尸気(ししき)という場所がありますが、
これはプレセペ星団が肉眼で雲のように見えているところから来ています。
双眼鏡で見るととても綺麗な場所です。

十一月の魂宿の日が、ちょうど十五日にあたり、最も縁起が良いとされていたのでした。

年齢ごとの儀式の意味はこんなです。
三歳の男女にたいして髪置(かみおき)の儀式が行われます。
これからは髪を剃らないで伸ばして整えるようになります。 
袴着(はかまぎ)は五歳の男児が初めて袴をはく儀式です。
七歳の女児の帯解(おびとき)は、
着け帯びをはずして、代わりに大人と同じに帯を締める行事です。
現代では男女関係なく、三歳、五歳、七歳で神社などにお参りをするようです。

さて、鬼宿の西隣の宿はというと井宿です。
図2をご覧ください。文字通り井戸です。
鬼宿がかに座でしたし、井宿はふたご座でしたので、12星座と二十七宿(二十八宿)が
似ていると感じていただけると思います。





図1 鬼宿(かに座) (ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/899-fig1.jpg
図2 井宿(ふたご座) (ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/899-fig2.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
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