七夕伝説 七月七日は七夕(たなばた)ですね。まだ、梅雨の真最中 で星を見る季節ではありません。昔ですから旧暦の七夕 で本来お祭りをしていましたから季節は大丈夫です。旧 暦の七月七日は今年は八月二十六日です。これなら夏の 空に織女(おりひめ星)と牽牛(ひこ星)を楽しむことがで きます。 七夕の起源は中国にあります。三〜四世紀には織女と牽 牛が一年に一度だけ会うという星伝説ができていたそう です。その後、六世紀になって、織女にあやかって機織 りや針仕事、書道の上達を願う乞巧奠(きっこうでん)と いう行事が盛んに行われるようになりました。これが奈 良時代に日本に伝えられ宮中で乞巧奠がいとなまれるよ うになります。 その後、江戸時代になって幕府が五節句のひとつとして 定めたことから広く市民に普及しました。すぐあとの七 月十五日にはお盆がひかえていますのでお盆の行事や収 穫祭と融合しながら形ができあがって来ました。 七月七日には願いを書いた五色の短冊を笹竹に飾り、ナ スやキュウリを備えます。祭が終わると笹竹は川に流さ れ、天の川に届けば願いごとが叶うとされます。 七夕の伝説は、働き者だった天帝の娘の織女の婿として やはり働き者だった牽牛をめあわせるのですが、仲良く なった二人はついぞ働かなくなって、遊び暮らすように なります。怒った天帝は、天の川の両岸に二人をはなれ ばなれにし、一年に一度だけ会うことができるようにし たというは話です。 誰もが知っている話と思います。私も子供のころから聞 かせられている話です。しかし、最近になってあらため てこの話を読んでみてふと思うことですが、二人が恋の ために両方とも働けなくなり(失業して)しまうなんてち ょっと激しすぎて、実際にこういうのも体験してみたい かな、と。 図1 願いごとを短冊に (やまがた天文台にて) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/90-fig1.jpg 画像をクリック(拡大) 図2 笹竹に短冊を飾ります (やまがた天文台にて) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/90-fig2.jpg 画像をクリック(拡大)