十日夜(とおかんや) (No. 901)

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date 2025 11 29
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今日11月29日は旧暦で10月10日で、今年最後のお月見の日です。
旧暦8月15日の中秋の名月、旧暦9月13日の後の月につづく、3番目のお月見で
十日夜(とおかんや)とよばれます。

もう季節は冬に入ったので、お月見には寒く、
月見が大好きな人もこれが最後の月見ですよ、ということになります。
稲刈りも終わり田の仕事も終了ということで、
旧暦10月10日は田の神様が山に帰る日とされていたそうです。
そのため、この日は田んぼに入ることは禁忌とする風習があります。

お月見には芋名月や栗名月といった呼び名がありますが、
十日夜は、大根名月というのはどうでしょう。
「大根の歳とり」といういわれがあるそうで、
十日夜の日に大根が大きくなるそうです。
このことがあって、この日には大根畑にはいってはいけないという地域があるそうです。
みなさんの地域ではどうでしょうか。
わたしは、おでんの大根が恋しくなりました。

さて、実際の夜空を見てみましょう(図1)。
月のすぐ左に明るく見える星は土星です。
星座としては、うお座、みずがめ座、くじら座に囲まれたあたりになります。
お気づきと思いますが、満月ではありません。
中秋の名月はほぼ満月ですが、後の月は十三夜でやや欠けています。
十日夜は半月より少し膨らんだ月です(図2)。
月の出はお昼頃ですので、
日が沈んだらすぐに高く昇ったお月見ができるようになっています。
もし満月のお月見をするのであれば夜半まで待たないと月は高く登ってきませんが、
寒い季節なので待たなくても良いようにという計らいで十日月になっているのですね。

月の模様も見てください。
図2にウサギの耳と顔の位置を示しましたので実際の月と比べてみてください。
また、望遠鏡で見たときの見どころとして、コペルニクスクレーターと
月着陸船アポロ11号の着陸地点(☆ 印)を示しておきました。






図1 今夜6時頃の夜空(ステラリウムを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/901-fig1.jpg
図2 十日夜(とおかんや)の月の形 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/901-fig2.jpg
本文終わり   (他の記事も読む)(homeへ)
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