東北の祭りと七夕 なんでも「お星さま」に関連づけて考えるのが、星空好きの人々の習性 です。わたしもそうです。夏の季節には、東北地方では山形の花笠祭り をはじめたくさんのお祭りが行われ観光シーズンでもあります。 青森ねぶたも秋田竿燈も仙台七夕もみんな七夕祭りだということになると 星空好きのみなさんも驚かれますか? まず、竿燈ですが、昭和前期まで「ねぶり流し」と呼ばれていたそうです。 ねぶりは眠りのことで、青森のねぶたも同じく「眠たい」からきているそ うです。もともと全国的にあった「眠り流し」という行事が起源です。 これは「七夕」に夏の睡魔そして病気や負傷、汚れを「形代(かたしろ)」 に托して水に流す行事です。その「形代」が大きく進化して竿燈やねぶた になったというわけです。 収穫の時期を前に元気だして!というおまじないですね。七夕は次の週の 「お盆」の準備期間でもありますから、身を清めてお盆を迎える意味も あったかもしれません。東北のお祭りの日程が集中していのにもちゃん と訳があったわけで、七夕の前後が選ばれているわけです。 人工的な光があまりない昔のことです。月明かりはとても大切です。 なので、旧暦の七月七日がちょうど半月、その一週間後の15日が満月で、 お盆になります。徐々に月が大きくなり、夜に動ける時期が選ばれてい るのです。図2に今年の旧暦の七夕である8月26日、8月30日、そして、 お盆の旧暦7月15日である9月3日のそれぞれ夜の8時頃の月の位置です。 今年はちょうど木星が満月の下で輝くことになります。 図1 東北の祭り 全体のサイズ配置は調整して大きくなくていいのではめこんでみてください。 仙台商工会議所提供 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/94-fig01.jpg 画像をクリック(拡大) 青森県庁ホームページ提供 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/94-fig02.jpg 画像をクリック(拡大) 秋田市竿燈まつり実行委員会公式ページ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/94-fig03.jpg 画像をクリック(拡大) (まとめの図案内用) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/94-fig3.ppt 図2 七夕からお盆までの月の動き (アストロアーツ製ステラナビゲータ使用) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/94-fig2.jpg 画像をクリック(拡大)